2019年会員研修会(段戸裏谷・原生林)実施報告

日時: 2019年10月29日(火)~30日(水)

場所: 愛知県、設楽町の段戸裏谷・きららの森、及び新城市の鳳来寺山

参加者: 会員12名

参加会員: 青野、朝比奈、大石、大澤、越智、小嶋、佐野、高橋、中川、早川、小久保(※)、杉山(※)

(※)は今回の幹事

内容:

 愛知県下最大のブナ林で知られる段戸裏谷・原生林で研修を行う計画を立てた。静岡からはやや遠いので一泊研修とし、湯谷温泉に泊まって近くの鳳来寺山も見て歩くことにした。

 

<初日>

    • あいにく初日はずっと雨だったので、初日を鳳来寺山見学とした。雨の中、あまり無理はせずに参道を歩いたり、山上の東照宮や本堂を見て歩いた。樹齢800年というスギの巨木「傘杉」を見たり、奥三河に特徴的なホソバシャクナゲやハナノキを見たりした。
    • 鳳来寺周辺は地質的にも特徴があって、多種類の変成岩が露出している。色とりどりの斑れい岩が使われた石段や、松脂岩質の鏡岩などにその特徴を見ることができた。
    • 雨天なので早めに宿に入り、パソコン操作について座学の研修会を行った。講習内容はOfficeソフトのカスタマイズ、画像やファイルの圧縮、文書レイアウトの調整などだった。

<二日目>

    • 前日とうって変わった晴天となった。宿を早めに出て、今回の主目的地である段戸裏谷・きららの森に向かった。森内には遊歩道が整備されており、原生林を中心としたた森だが2次林と思われる部分も入り交じるので、樹種は豊富だった。下見も含めると、遊歩道沿いだけで65種の樹木が確認できた。
    • 原生林で目立ったのはブナ、モミ、ツガなどの巨木で、林床がスズタケで覆われた太平洋型ブナ林の特徴を呈していた。ただスズタケは3年前の一斉開花で、全てが枯れていた。高木で樹冠が高いものが多く、双眼鏡で葉を確かめつつ落ち葉や樹皮を頼りにそれらを同定して歩いた。
    • 中層にはシロモジが非常に多いのが特徴的だった。それにオオカメノキ、タンナサワフタギ、カエデ類などが多かった。一方2次林と思われる区域ではアブラチャン、カマツカなどが多く、樹種はかなり違っていた。
    • 全体的には、紅葉にはまだ少し早かった。ただ原生林で枯死木も多いせいか、キノコが色々見られた。クリタケ、ムキタケなどの可食菌の他に、ツキヨタケの群生もあった。互いによく似たツキヨタケとムキタケの見分け方も確認した。

<総括>

 太平洋型ブナの森は静岡県内にもあるが、中層にシロモジが多いのは県内ではあまり見たことがないように思う。一方で県内でよく見る中層のクロモジ、アブラチャン、ダンコウバイなどは、原生林内ではあまり見かけなかった。やはり少し西方に来ただけでだいぶ様子が変わって見えるので興味深かった。またブナやモミ、ツガの巨木が立ち並んでいる姿はとりわけ印象的だった。雨で鳳来寺山の森をじっくり見られなかったのは残念だが、段戸裏谷・原生林は研修にはなかなか良い森だったと思う。

詳しくはこちら ⇒ http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2019/11/201910_研修会(段戸裏谷)実施報告.pdf

研修会資料(コースマップと樹種一覧)⇒ http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2019/11/2019_研修会資料(段戸裏谷).pdf


それぞれの表題か見出し写真をクリックして下さい。内容が表示されます。