高山・市民の森 森林教室実施報告<竹ストロー>
- 実施日時 令和4年11月20(日) 10時~14時30分
- 実施題目 森の散策、及び竹ストローと小枝のエンピツづくり
- 参加講師名 森林インストラクターしずおか
- 主担当: 杉山、矢下
- アシスト: 青野、小長井
- 参加者 4家族 9人 (大人7人、子ども2人)
- 概要 10月の森林教室が、台風15号の道路崩壊により水見色へ行くことができず、延期となった。今年度初めて予備日を設定してあったので、今回その分を振り替えての実施となった。参加者は4家族の9人で、1週間前の森林教室に続き参加してくださった方々が2組と、高山は初めてという方々が2組であった。
天気予報では、今日は朝から雨の予報であったので、雨バージョンとしてミニクリスマスツリー作りを準備していた。しかし、曇り空でまだ雨粒は落ちて来ない。お昼まで何とか雨が降らないことを願いながら、雨具を準備して森の散策を行うことにした。
- 【森の散策】
2家族ずつ2班に分け、それぞれが山頂を目指して歩いた。昆虫好きの子どもは、散策が始まる前から「森の恵」の縁の下に潜り、アリジゴク探しをしていた。林内では、クロモジの甘い香りを体験したり、冬芽を観察したり、またスギとヒノキの違いを葉や樹皮で比較、確認したりした。班によっては更にミズメのサロメチール臭を嗅いでみたり、フユイチゴの実を食べてみたり、小さなキッコウハグマの花を眺めたりしながら歩いた。大人の参加者には、人工林をスギ、ヒノキの単相林から広葉樹との混交林に変える意義や、針葉樹と広葉樹の特性の違いなどを解説したりもした。
歩きながら途中でカモシカに出会った時には、人々の目が釘付けになった。また山頂では皆でシカの糞を観察したりもした。山頂からの下りの途中では大きなホウノキの葉を拾ったり、イタヤカエデとイロハカエデの違いを勉強しながら、「森の恵」まで戻った。子ども達は、もっぱら昆虫探しに夢中であったが、それでも虫かごの中にはヒノキなど数種の果実が入っていた。
- 【竹ストローづくり】
担当の矢下インストラクターが、まず17の持続可能な開発目標「SDGs」について目標や意義について話し、特に海洋プラスチックの問題についての危機的な現況を説明した。今回はその取り組みの一つとして、竹ストローづくりを取り上げた。
手順としては先ず竹ストローになるヤダケを切断、稈の中を清掃、研磨、煮沸消毒して、ケースを仕上げ研磨、更にコルクの蓋も作成した。色々な種類のやすりやペーパーで、ストローになる細い稈の内部の清掃・研磨した。なかなか大変な作業だったが、皆真剣に作業した。どの工程にも時間と根気を要する。「これでどうですか?」「いや、まだダメ。口をつけるところだからもっときれいに。」なかなか先生のOKが出ない。何度目かでやっと合格し、煮沸に入った。ここまでできれば安心、試しに使ってみたくなる。
- 【小枝の鉛筆づくり】
鉛筆の材料にサクラとヒメシャラを用意した。実用的鉛筆とアクセサリーの鉛筆とを作ることを提案し、工作に入った。穴あけは難しいので担当の杉山インストラクターが引き受け、ヒートンと鎖、リングの取り付け、それに芯の削り出しを参加者にやってもらった。鉛筆を削るためにナイフを安全に使えるのか心配していたが、子供も上手に削っていたので安心した。作業はスムースで、赤鉛筆、普通の鉛筆、色鉛筆など皆、何本か作ることができた。鉛筆表面の艶出しは、ザラザラしたムクノキの葉で試してもらった。昔は紙やすり代わりに使われたというムクノキの葉だが、残念ながらピカピカにはならなかった。
詳しくはこちら ⇒ http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2022/11/高山実施報告書(竹ストロー)202211.pdf