第207回・森で遊ぶ会(箱根・湿生花園)実施報告
日時: 2024年9月18日(水) 10時~14時(現地)
場所: 箱根・湿生花園
参加者: 21名(静岡市 17、藤枝市 4)
担当幹事: 大石、高橋
アシスト会員: 青野、越智、小久保、小嶋、小長井、佐野、杉山
実施状況:
暑かった7月、8月が過ぎ、9月になれば標高650mのこの地は涼しくなるのではと期待したが、暑い一日であった。しかし、沢山の花々、そして樹木が目につき、飽きることない観察会であった。3班に分かれて、湿生花園の決められた順路に沿って見学し、途中の休息所で昼食をとり、帰りがけに企画展も見学した。
班ごとに取り上げた対象には違いもあったが、各班のインストラクター達はコース沿いに現れる植物についてそれぞれに次のような解説を加えて行った。ヤマグルマ、シラタマホシクサ、ツリフネソウ、サワギキョウ、ミヤマビャクシン、ハンノキ、ドクウツギに関してはそれぞれの興味深い特性を、ガマズミの虫こぶ、ミズヒキ、トチノキ、オオイタヤメイゲツ、カラコギカエデについてはその名前の由来を、アブラチャンの実についてはその利用を、ミゾソバ、トチノキについてはその薬効を、またツリフネソウ、ツチアケビについてはその種子散布の工夫を参加者に説明した。また繁殖様式についても、ツリフネソウ、ヤマホタルブクロ、サクラタデ、ミソハギ、ミゾソバなどを取り上げ、それぞれがどのように子孫を残してゆくのかを話した。そして樹木への関心を深めてもらうため、カツラ、ゴマキ、コクサギ、クサギについては匂い体験を、タムシバとスノキについては葉を噛んで味覚体験もしてもらった。
その他観察できた植物については、広葉樹林帯ではキンミズヒキ、ヌスビトハギ、シラヤマギク、シュロソウ、イヌショウマが見ごろであった。一方、草原区域ではオミナエシ、ハギの花が咲き、ワレモコウ、ナガボノシロワレモコウの穂が風になびいていた。またアケボノソウも見られた。湿原区では赤紫色があざやかなアサマフウロの花が咲き乱れ、サワギキョウ、エゾリンドウも沢山咲いていた。また足元にはスズムシバナ、ツリフネソウ、ジャコウソウ、キレンゲショウマなどが咲いており、皆さんその観察にも夢中になっていた。湿った林の木陰ではオクトリカブトが群落になり、ツルニンジン、キバナアキギリがひっそりと咲いていた。また池には、ヒツジグサ、黄色のコウホネが見られた。
花が咲き終わったヤマユリ、ウバユリ、ハンカイソウは目立つ大きな種を残していた。サンショウバラ、ガマズミ、イヌウメモドキ、ツノハシバミ、コムラサキ、アケビの実も観察できた。ここ湿性植物園には「湿生」とは言いながら様々な環境があり、植物の種類も著しく多い。アザミに似た花だけでもタイアザミ、マアザミ、ミヤコアザミ、タムラソウ等があり、また白いキクでにもシラヤマギク、サワシロギク、ユウガギク等があって、時には判定に戸惑うシーンもあったが数多くの花々を楽しんでいただけたものと思う。
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