スズガクSDGsイベント 美術館の森観察会
- 実施日時 令和6年12月7(土) 10時~12時30分
- 実施場所 静岡市駿河区 県立美術館周辺
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- 美術館周辺の森(観察)、及び県立図書館の集会室(講義)
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- 実施主体 学校法人 鈴木学園
- 派遣講師 NPO森林インストラクターしずおか
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- 杉山(代表)、青野、小久保、小長井、佐野、矢下
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- 参加者 鈴木学園系列専門学校: 学生、教員、父兄 合計:40名
概要
ここ数年の恒例行事となっているスズガクSDGsイベントの一環として、今回は美術館の森周辺の自然観察会を実施することになった。先月、中央動物専門学校の学生達をガイドしたことが契機となって、更に多くの学生達をガイドする機会が生まれたものだ。参加者は同じ系列の各種専門学校からの学生と教員など総勢40名で、観察には6つの班に分かれてもらい、それぞれに一人づつインストラクターがついた。班ごとに歩いたコースは多少違ったが、インストラクター達はそれぞれに個性のあるテクニックで参加者に森の役割や自然観察の楽しさを伝えた。ただ事前の情報不足で、動物関係だけでなく医療や調理、自動車整備部門など、多様な学科で学ぶ学生さんたちが対象であることをガイドの中で知った。しかしさすが皆ベテランのインストラクター、解説の内容を参加者のバックグラウンドに合わせて変えつつ、巧みな話で学生達を植物の世界へ引き込んでいった。
ガイドウォークで取り上げた内容は班ごとに様々だったが、個々の植物種を見分ける事から始まり、その形態的特徴、薬効のある植物の紹介やその利用の歴史、昆虫や動物など他の生物と植物との共生関係、植物毎の生存戦略の巧みさ、森林の生態系とその中で物質の循環、更には植物の進化の歴史と土壌の役割など、広範に及んだ。ふだん直接こうして植物に接する機会の少ない学生が多いのだろうから、やや荷が重かったかも知れない。それでも多少なりとも記憶や印象に残ってくれれば、との期待を込めながらのガイドだった。
ガイドウォーク終了後に、配付資料とスライドを使って全員を対象に簡単な座学も行った。自然界で植物が果たしている根源的な役割を知ってもらった上で、植物と昆虫・動物との共生について理解を深めてもらうのが目的だ。共生の中でも特に相利共生を取り上げ、受粉の際の送粉共生、種子散布の際の種子散布共生について解説した。植物たちは自身が絶えることが無いよう、子孫を残すためのあらゆる戦略を駆使して動物や昆虫と共生関係を築いていること、更に植物がどのようにして鳥などの動物や昆虫を呼び寄せるのか、その方法や戦略、またなぜ動物や昆虫に受粉や種子散布を任せるかなどの訳についても解説した。植物の芽生え ⇒ 生長 ⇒ 結実 ⇒ 種子散布、この循環が絶えず行われることにより、食物連鎖という循環も絶え間なく続き他の生物は存在できる。だから「植物は、生物の命の起点」、このことを今日参加していただいた学生の皆さんに是非覚えておいていただきたい、と話して講義を締めくくった。
詳しくはこちら ⇒http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2024/12/スズガク-SDGsイベント2024_実施報告書.pdf