第211回・森で遊ぶ会(朝霧高原)実施報告

日時: 2025年4月16日(水) 8時~17時

場所: 朝霧高原・毛無山山麓(富士宮市)

参加者: 23名(静岡市 18、藤枝市 5)

担当幹事: 杉山、越智

アシスト会員: 青野、喜多、小久保、小長井

実施状況:

 数々のスミレやニリンソウ、それに「春の妖精」として知られるイチゲやエンゴサクなど、早春の花々を求めて朝霧高原に出かけた。朝霧の道の駅を基点に、毛無山山麓の東海自然歩道に沿って、花々を探しながら4Kmあまりの周回コースを歩くという内容である。

 我々は3年前の4月下旬にも、この同じ場所でこの会を開いたことがある。その時には12種類ものスミレやニリンソウの群落、それに可憐なエンゴサク類などが見頃で早春の花々を堪能することができた。イチゲ類も見られたが、こちらは開花時期が他種より若干早いせいで、もう終わりかけという個体も多かった。そんなこともあり、今回は前回より1週間早いタイミングでの実施である。しかし年々季節の進みが早まっているというのに、今年は桜の開花なども思いの外遅い。大丈夫か? 事実、10日ほど前に下見に来た時には、スミレが僅かに咲いているのみで、期待の花々は何も開花しておらず、「果たして本番までに咲いてくれるのか?」と大いに心配させられた。

 本番当日は快晴で富士山の姿もくっきりと見え、気温もマイルドで散策には絶好の日和となった。肝心の花々はと言うと、色々なスミレもニリンソウも、更にはイチゲ類もしっかり開花しており、参加者に大いに喜んでいただけた。まだ咲き始めというものも多かったがイチゲ類にはピッタリのタイミングで、林床のあちこちで純白の大きな花を開いて参加者の目を奪っていた。今回見る事ができた花々は、キスミレやエイザンスミレなどスミレ類が6種、ニリンソウ、2種類のイチゲ、キバナノアマナ、ネコノメソウの仲間2種類、それにシロバナフデリンドウなどだ。路端ではミツバツチグリやキジムシロ、イヌナズナなども黄色い花を咲かせていた。とりわけ今回のハイライトは、花が終わると姿を消してしまう春の妖精、キクザキイチゲとアズマイチゲの競演が見られた事だろう。ただもう一つの春の妖精、エンゴサク類にはまだ早すぎたのか、お目にかかることが出来なかったのがちょっと残念だった。

 我々インストラクターとしては、参加者に草花だけでなく樹木の花にも目を向けて欲しい。特にここにはマメザクラが多く、林縁や疎林の中の随所で見られる。ちょうどその花が満開で、その可憐な姿を皆さんに楽しんでいただいた。またアブラチャンも非常に多く、黄色い花をびっしりとつけた姿が見られた。数は少ないがキブシの花もあり、また独特の花が咲いたフサザクラ、黄色い花を全身に纏ったヤナギも見ることができた。こうした樹々の花も見ながら、青い空のもと、雪をかぶった富士山に見守られるように早春の高原歩きを楽しんだ。

 この後バスで帰路についたが、途中で白糸の滝自然公園に立ち寄った。ミツマタ畑や菜の花畑越しに富士山が見られる絶景ポイントで、菜の花もちょうど満開だった。ミツマタはもう花の最盛期を過ぎていたが、ここ芝川町はミツマタ栽培の発祥の地で、こうして畑になっている姿を見るのは初めてだ。紙幣の材料になるミツマタのウンチクも参加者に語りながら、ここの雄大な景色を堪能していただき、この観察会を終えた。

詳しくはこちら ⇒ http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2025/04/第211回森で遊ぶ会(朝霧高原)実施報告書.pdf


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