第212回・森で遊ぶ会(井川・県民の森)実施報告
日時: 2025年5月26日(月) 8時~17時
場所: 井川・県民の森(静岡市葵区)
参加者: 24名(静岡市 19、藤枝市 5)
担当幹事: 杉山、小嶋
アシスト会員: 青野、小久保
実施状況:
すでに梅雨入りしているのではないか、と思われるほどはっきりしない天気が続いていた。また道路の時間帯規制に見舞われたり、参加予定のインストラクターが体調不良で2人も欠けてしまうなど、最初から波乱続きだった。しかしこの季節ならではの新緑が美しい森の中を歩き、満開のシロヤシオやそれと競い合うように紅紫色の花を咲かせたミツバツツジの花も堪能でき、皆さんに喜んでいただけた観察会になった。
今回我々が向かった井川峠周辺の県民の森は、ブナやミズナラ、それに種々のカエデ類などの広葉樹とウラジロモミを中心とした針葉樹が適度に入り交じった森だ。高木が多く、林床も開けた明るい森なので歩いていても気持ちが良い。森の中や林縁では様々なカエデやツツジ類などの低木が林床を賑わせており、樹種も多いので樹木の観察にはうってつけの場所だ。また低山では見られないものも多いので、その点でも楽しめるはずだ。
県民の森までの道路は大型バスが通れないので、今回は満席の中型バスでのツアーになった。現地では井川峠への入り口にバスを駐め、そこから峠まで緩やかに森の中を登ってから更に尾根道を進み、森の中を周回して戻ってくるというコース設定とした。登山道沿いだけでなく林道でも沢山の樹木が見られた。今回観察できたものは、例えばカエデ類だけでもハウチワ、コハウチワ、オオイタヤメイゲツ、ウリハダ、ホソエ、イタヤ、コミネカエデなどが挙げられる。一部のカエデにはまだ花が残っており、葉だけでなくそれぞれの花の違いも見ることができた。
今回参加者募集の看板にしたシロヤシオやトウゴクミツバツツジなどツツジ類では、この他にもヤマツツジ、コヨウラクツツジ、ベニドウダンなどが花を咲かせていた。またサクラ類ではミヤマザクラ、ウワミズザクラの花が見られた。ズミもあったが、こちらはまだ蕾だった。その他、ブナやミズナラに加え、ダケカンバ、ミズメ、アオハダ、タンナサワフタギ、コシアブラ、ミズキ、コハクウンボク、ナナカマドなどの広葉樹、それに針葉樹としてはウラジロモミ、ツガ、イラモミ、更に蔓性樹木としてツルアジサイ、イワガラミ、そしてツタウルシなどが観察できた。
樹木だけでなく、林床に目をこらすと可愛いフモトスミレの花やギンリョウソウを見つけることもできた。この日は雲に覆われて気温が11℃と思いの外寒くなったが、幸い雨にも降られずにコースを回ることができた。こうして、普段あまり目にしない樹種も多い標高1500mならではの観察会を、皆さんに十分楽しんで頂けたことと思う。
詳しくはこちら ⇒ http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2025/06/第212回森で遊ぶ会(井川・県民の森)実施報告書.pdf