自然教室講師派遣・実施報告書(八幡5丁目他子供会)

  1.  実施日時   令和7年6月1(日) 9時45分~14時15分
  2.  実施題目  森の散策、及び顕微鏡観察など
  3.  参加講師名  森林インストラクターしずおか
    • 担当:   杉山、青野、小久保、小嶋
  4.  参加者 30人 (大人15人、子ども15人)
  5.  概要 

 昨年の12月に、八幡5丁目の子供会の会長さんから、高山での自然教室をサポートして欲しいとの相談を受けた。モリアオガエルをはじめ、生き物や植物の観察、コース、行程などの企画を提案し、今回の教室開催となった。全部で30人という大所帯なので、4班編成で対応した。子供会の会長さんの家族以外の方々は、高山市民の森が初めてとのことだったが、皆さん元気が良いことが分かっていたので、山頂まで行くことにした。一旦、髙山の池まで降りてから急坂の続くハイキングコースを登り、山頂、観察の森、管理道で「森の恵」に戻るというコース設定にした。

 子ども達は年少~小学校高学年までいたが、皆元気がよい。網を振り回して虫を追ったり、親を尻目にずんずんと坂を登って行ったり、追いかける我々も大変だった。それでも自然観察が主眼なので、いつものように五感を使った体験学習も織り交ぜながら山道を歩いてもらった。ミズメ、クロモジ、カナクギノキではその香りを体験し、キハダではその苦い味を体験して胃腸薬としての薬効に思いを馳せたり、ミツマタの枝が千切れない事で紙幣の原料に使われる事に納得したり、そんな観察もしながら山頂を目指した。

 大人達も普段こうした自然観察の機会に接することが少ないせいか、カエデ類の花や若い実を見て、「へ~、こういう木にも花が咲くんだ」と感心したり、ガマズミの実で作る果実酒の説明を聞いて「飲んでみたいな~」と感想を漏らしたりしていた。イタヤカエデの樹液からメープルシロップが採れること、オニグルミの小さな子房がやがてあの大きなクルミになることなど、身近なものにも話しが及ぶので、興味を持って話しを聞いてもらえたようだ。

 雲の多い天気だったので、山頂からの展望はいまひとつだったが、芝生の上で簡単なネイチャーゲームをしたりして遊んでもらった。昼食の後は「森の恵」まで管理道を下ったが、途中でこの日2回目のカモシカを見かけたりした。「森の恵」に戻ってからは、採集した虫や植物を顕微鏡で覗いてみようという企画を行った。蚊や採集したバッタ、コガネムシ、葉っぱ、種、チョウの羽など拡大され迫力満点の映像に、子どもだけでなく親からも大きな歓声が上がった。

 最後に皆で「森の恵」の床下に住み着いたコウモリを見に行った。子どもたちは大人が入り込めないところから簡単にくぐって近づき、慌てて逃げ回るコウモリに興奮気味であった。コウモリにとって大変迷惑な、気の毒なことをしてしまったと反省した。静かになった後、無事にねぐらに戻ってきてくれることを願った。今回、コウモリをはじめカモシカにも3回も遭遇し「こんな近くで見るの初めて!」と、参加した子どもも大人も感激していた。この自然教室を計画された子供会の会長さんご夫婦が、「みんな喜んでくれてよかったです。ありがとうございました。」と言ってくれたので、ひと安心。今後もこんな形で自然教室の依頼が増えて欲しいと思った。

詳しくはこちら ⇒http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2025/06/講師派遣・実施報告書(八幡5丁目子供会).pdf


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