自然観察会・講師派遣 実施報告書(秦野・ネイチャーウォッチングクラブ)

1. 実施日時   令和7年7月26(土) 9時30分~14時

2. 実施場所  小田貫湿原、田貫湖(富士宮市猪之頭)

3. 担当講師  森林インストラクターしずおか   佐野 文彦

4. 参加者 7人 (秦野ネイチャーウォッチングクラブ会員)

概要 

 秦野ネイチャーウオッチングクラブから当会へ、小田貫湿原と田貫湖での観察会をガイドしてほしいと依頼があった。参加者は7名で少人数だったので、富士宮在住の会員・佐野が一人で担当することになった。

 田貫湖ふれあい塾から頂いた小田貫湿原のパンフレットなども参考にしつつ、小田貫湿原や田貫湖の成り立ちと、予め撮影した草花、樹木、トンボの写真を一覧にして当日の配布資料とした。

 小田貫湿原では、チダケサシ、クサレダマ、コオニユリ、ヌマトラノオ、アギナシ、コケオトギリ、チゴザサが開花期を迎えていた。橙色のコオニユリは湿原に映え、カメラを向けたくなる姿を見せていた。オニユリはよく目にするが、コオニユリはあまり見たことがないという方もいた。ミズチドリも数は少なかったが観察することができた。線香花火のように咲くチゴザサは初めて目にする方が多かった。小さいながらも所々に桃色を帯びた群落が見られ、遠くからでも確認することができた。散在するアブラガヤの穂はまだ青かった。湿原を代表するアサマフウロやサワギキョウの開花はまだまだ先と思われた。また池の淵ではモウセンゴケを観察することができた。木道から双眼鏡で見つけた場所を覚えておくことで、肉眼でも観ることができた。樹木ではリョウブ、ノリウツギが開花していた。特に湿原周辺にはリョウブが多く、開花最盛期であった。また湿原の縁ではクマヤナギが遠くからでも確認できる程、沢山の赤い実を付けていた。

 昆虫ではショウジョウトンボ、キイトトンボ、ハラビロトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウチワヤンマなどのトンボ類が多かった。またキイトトンボが連結産卵する様子は、随所で観察することができた。蝶はナガサキアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、クロアゲハ、アカボシゴマダラを観ることができた。両生類ではヤマアカガエルの幼体やモリアオガエルの卵塊を確認することができた。モリアオガエルの卵を見たことがない人が多かったので、紫外線、メラニン色素、泡の関係を解説し、卵の色は黒ではなく白っぽいことを知ってもらった。野鳥はヒノキの頂きで囀っているホオジロを双眼鏡で観察し、小田貫湿原での観察を終了した。昼食は田貫湖を予定していたが、湿原の東屋で少し早めのお昼とした。

 午後は小田貫湿原から田貫湖ふれあい塾まで湖畔沿いのコースを歩いた。サンショウ、イヌザンショウ、アブラチャン、ゴンズイ、クサギ、ウリハダカエデ、ミズキ、クロモジ、コクサギ、コアジサイ、ノブドウ、センニンソウなどの植物、それにコシアキトンボ、ベニカミキリも観察できた。コアジサイは湖畔西側の遊歩道に沿いの石垣の上に数十mに亘って群生していた。「開花の頃はきれいだろうね。観てみたいね~。」といった声が聞かれた。コアジサイの付近には数えきれない程のヤゴのぬけ殻があった。ヤゴにとって池からの距離はかなりある。何故この場所を選んだのか、を皆で考えてみた。この場所が羽化するのに安全だからということで、皆さんの考えが一致した。

 休暇村に近い湿性植物保護区には、40年程前には氷河期の遺残植物と言われているミツガシワが自生していたことや、この付近ではアズマヒキガエルが繁殖期になると集結し、カエル合戦を観ることができることなども紹介した。最後にテラスで記念写真を撮って観察会を終了した。小田貫湿原を2時間、田貫湖畔を2時間かけての観察会であったが、草花や昆虫、野鳥に至るまで色々な生き物を観察することができた。十分満足していただけたのではないかと思う。 

詳しくはこちら ⇒http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2025/07/小田貫観察会・実施報告書.pdf


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