◆講師派遣◆


■富士山国有林見学会

 静岡森林管理署の「富士山国有林見学会」が10月22日に富士山麓で行われました。そのプログラムの一つ、「西臼塚周辺ハイキング」の指導の依頼があり、会員3名を派遣しました。
 参加者は40人ほどで、3班に分かれ、富士山スカイラインの西臼塚駐車場から西臼塚までを往復するコースを散策しました。歩道沿いの巨樹を観察し、オオウラジロノキのリンゴを小さくしたような果実を拾ったり、ヤマシャクヤクの赤い果実を見るなど、多くの植物を観察しながら散策しました。有名な毒キノコ・ツキヨタケも見ました。参加者の反応が良く、予定時間を大幅に超えてしまい、午後の見学予定地がカットされることになりました。管理署の方から、ハイキングの説明が良かったからと、言っていただきました。
 午後は森林管理署の案内で、シカの被害対策と大沢崩れの治山事業を見学し、終了しました。
 天気は終日曇り空で富士山は見られず、昨年は素晴らしい紅葉でしたが、今年は1週間から10日も遅れているようで、ほとんど紅葉も見られませんでしたが、参加者はとても良かったといっていました。
                       担当 井上、大澤、萩野


オオウラジロノキの果実


カエデ広場の人気者のブナ





■井川自然ウォッチング『巨木の森体験』

◆日時:平成22年10月16日(土)10時〜14時
◆内容: 平成13年から実施されている静岡市の「自然ウォッチング」に今年も本会へ指導の依頼があり、4人の会員が指導に当たりました。
 今年は、井川峠下の駐車場から下の市有林に静岡市が最近整備した遊歩道(標高差約200m、延長約2.5km)を散策するものでした。
 当日は心配された天候も回復し富士山、南アルプスも遠望できる森林散策には絶好の日和となりました。参加者は38人で、4班に分けそれぞれにインストラクター1名が付き案内を実施しました。参加者には井上会員の作成した『井川巨木の森・巨樹位置図』が渡されました。これを見ながらたくさんの巨木に参加者はびっくりしたり、感心したりで散策を楽しんでいました。
 推定樹齢200年〜300年のミズナラ、ツガの巨木が遊歩道沿いだけでも40本近く観察されました。ミズナラでは最大幹周4.2m、ツガでは単幹で4.4mが最大で、3本立ちでは7.1mという巨樹もありました。標高1,368m地点には山の神の“ほこら”があり、この近くで昼食をとりました。昼食後は沢を挟んで来た時より1本北側の尾根を登って帰りました。こちらの尾根はツガの巨木、天然ヒノキが多く観られました。
 なお、今回散策した『井川巨木の森』は、今後市民の“癒しの場”となりそうな大変静かで明るい森でした。樹種も豊富で(ミズナラ、ツガ、天然ヒノキ、ブナ、イヌブナ、アセビ、シロヤシオ、ヒメシャラ、ナツツバキ、カエデ類等々)、きのこもたくさんありました。そんな中で参加者の一番人気は樹皮が美しいヒメシャラの木だったようです。なお、シロヤシオが密生したところがあり、花の時期は素晴らしいことと思われました。
落後者やケガ人もなく参加者はゆったりとした森林ウォッチングができたのではないでしょうか。
                    担当:井上、内野、小嶋、高橋


巨木の前で熱心に説明を聞く参加者


ツガの巨木の横を通過