第197回・森で遊ぶ会(富士山・こどもの国)実施報告

日時: 令和5年6月26日(月) 8時~17時

場所: 富士山こどもの国(富士市)

参加者: 26名(静岡市 22、藤枝市 4)

担当幹事:  青野、佐野

アシスト会員: 越智、大石、喜多、小久保、小嶋、小長井、杉山、高橋、矢下

実施状況:

 富士山こどもの国の園内では、富士山麓に自生する多数の樹木や草花を観察できることを知り、今回初めてここで観察会を企画した。「こどもの国」と言えば家族連れ対象の施設と思えるが、実際には広い園内に多くの樹木や草花があり、自然観察の対象としても好適な場所と思えた。とりわけ「花の谷」地区では数多くの草花が期待でき、今回の観察行の目玉にもなった。しかし草花の開花予想など詳細な情報が事前に入手できず、ちょうど目的の花々の開花が見られるのかの予測は難しかった。

 事実、見頃を期待したベニバナヤマシャクヤクやクリンソウ、サンショウバラの花はこの日までに既に散ってしまっており、一方で夏の花々にはまだ開花しているものが少なかった。しかし希少種のサワトラノオが開花期を迎え、小さな白い花を咲かせていた。またシモツケやヤマオダマキが鮮やかな色の花で、参加者の目を惹いてくれた。今回花が見られなかったものについては、代わりにそれぞれの花の写真を予め用意し、その姿を想像していただいた。この「花の谷」には数多い種類の草花があるが、それらはもともと富士山麓に自生していたものという。戦後の拡大造林で一度は失われたものを、こどもの国の造園に当たって周辺から移植、保護しているとのことだ。

 午前中は主に「花の谷」で草花を観察、昼食は草原の家の前で摂り、午後は水の国へ向かって歩いて歩道沿いの樹木を観察した。歩道沿いにも多くの種類の樹木があり、実をつけているものも沢山あって観察する材料には事欠かなかった。とりわけあまり馴染みのないクマヤナギの実を見つけたり、ユニークな形の実をつけるミツバウツギを見たり、楽しんでいただけたのではなかろうか。草花についてはちょうど開花の「谷間」になってしまったが、普段あまり観る機会のない草や木の結実期の状態も観察することができたことは、収穫だったのではないかと思う。

 散策の後半では時折、雲の切れ間から富士山を眺めることができた。梅雨時期で天気を心配したが、雨にも降られずじっくりと観察しながら歩くことができた。そして参加者は口々に「こんなに色々な草花があるのなら、また時期を変えて来てみたいものね。」と、思わぬ発見を喜んでくれた。また当園では65歳以上のシニアは、入園料が無料となっている。今回も参加者が皆シニア世代だったこともあり、全員をその対象として扱っていただけた。

 最後に、本観察会の開催に際して「富士山こどもの国」の職員の方々に快く迎えて頂き、下見でのガイドなど様々なご協力を頂いたことを改めて感謝致したい。今後も、ここは観察会の「穴場」として活用ができると確信できた行事でもあった。

詳しくはこちら ⇒ http://shinrinshizuoka.com/wp-content/uploads/2023/06/第197回森で遊ぶ会(富士山こどもの国)実施報告書.pdf


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